日本人なら誰もが知っている盆踊り。そのルーツが実は仏教の念仏であることを知っている方は少ないのではないでしょうか?
今回はそんな盆踊りを世に広めた一遍上人が宗祖の時宗総本山「遊行寺」をご紹介します。
<スポンサーリンク>
「遊行寺」ってどんなところ??
遊行寺は神奈川の藤沢市、藤沢駅の北約1キロに位置しています。
この遊行寺、実は「藤沢」という町の名前の由来も作った由緒あるお寺です。
現在の藤沢市はもともと遊行寺の門前町として生まれ、遊行寺の山号「藤沢」が町の名前となり、やがては東海道の宿場町として発展しました。
木造建築としては東海道随一といわれる本堂には、慈覚大使・円仁作とされる阿弥陀如来を本尊に安置しています。
境内の奥には、遊行上人と旅先で出会い、のちに歌舞伎や浄瑠璃の題材にもなった小栗判官こと満重の十勇士、彼らを助けた照手姫、鬼鹿毛の墓などもあります。
惣門(総門)から、いろは坂と呼ばれる四十八段の参道を上って境内へ。両脇の木は桜で、春は桜のトンネルを楽しめる。
本堂。明治時代の大火や関東大震災で多大な被害を受け、現在のものは昭和に入ってから再建されたもの
本殿の脇にある立派な大イチョウがお出迎えをしてくれます
盆踊りのルーツって?
遊行寺は時宗の総本山。その時宗の開祖である一遍上人は、一か所に留まらずに全国を行脚し、念仏札を配りながら布教活動をするというちょっと変わったスタイルで遊行(布教の旅)をしていました。
そんな一遍上人の旅にはいつしか多くの人々が同行するようになったといいます。
一遍上人の教えに共感した人が多かったのも事実ですが、そこまでの大集団になったのは「踊り念仏」の効果があったとされています。
この「踊り念仏」一遍上人が考案した布教方法で、鐘や太鼓を打ち鳴らして踊りながら「南無阿弥陀仏」と唱えるものでした。
すでに阿弥陀如来によって救われていることの喜びを表した踊りで、踊ることによって人々に幸せを示しました。
それを見た人々は楽しさを求めて群れを成し、みんなが念仏を唱えながら一心不乱に踊り歩いたのです。
この「踊り念仏」を広めるために造られた道場の一つが「遊行寺」。
やがて踊り念仏は収束していきましたが、「盆踊り」に形を変えて今も各地に残されています。
境内にある一遍上人像
まとめ
これだけ全国に広まっている盆踊り、仏教の踊り念仏が原型とは意外でしたね。
この夏は、全国に広まる盆踊りの原型を生み出した遊行寺を参拝してみてはいかがでしょう??
<スポンサーリンク>